昨今の内装工事、リフォーム工事の事情は、職人の技術の低下が、あちこちで言われるようになりました。

原因のひとつに、チラシ合戦による価格の激化、予算不足による職人への強引な低価格での押し付け、また、相見積りによる低価格設定等があります。これは、施工に対するそれ相応の処理（ボード下地の補修、防カビ処理、プライマー薬品処理、シーラー処理、接着力強化の為の特殊ボンド混入等）や、家具や床の養生等を含むと、必然的に全体の価格が上がってしまい、一般素人客は、内訳内容より、合計価格しか判断できない為、良心的な施工を望む業者が結果的に落とされてしまいます。これには、現在の営業マン等が、状況に応じた適切な処理方法の知識が無いといった現実もあります。

最近の見習職人も、技術習得に、２、３年もすれば立派な職人になって独立できると勘違いしている人も少なくありません。

ビニールクロスを貼る仕事の歴史はまだ浅いですが、本来、壁紙、和紙、布地等を貼る技術は、古くから受け継がれたすばらしい技法がたくさん残っています。

私たちは、仕上がり部分の一番の顔となる事に、誇りと自覚を持ち、技術力の向上を目指させる教育に努めなければならないと考えます。